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九の近況(10) [その他]

九の近況(10)

いつの間にか前回の近況から1ヶ月半経ってしまいました。特に忙しいわけでもなかったのですが、心にゆとりがなかったのかもしれません。

小説

8月に同人誌「山田組文芸誌」第7号『ドリーム座の休日』という短編を投稿しました。今号のテーマは「映画」。中学1年のとき劇場で『ローマの休日』を観たときのことをベースに書きました。締め切り間際に致命的なミスを見つけて編集長に迷惑をかけてしまいました。申し訳ない。

「山田組アカデミー賞」というオススメの映画紹介文も載せていますので、よろしければ読んでみてください。書棚の本を見ると人物がわかるといいますが、好きな映画にもその人が反映しているものだと思います。さて、同人たちは皆さんの目にどんな人物として映るでしょう。

https://note.com/yamadagumi/
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集英社ノベル大賞から選評が届きました。今回の2作は前回投稿したホラー小説よりは評価がよかったと思います。6つの観点それぞれについてABC判定がついてきます。 1つの作品は現代の京都を舞台として少女の冒険譚。もう1作はある拳銃を主人公にした時代小説です。どちらの作も4つの観点でAをもらいました。コメントも好意的でした。ちょっと甘すぎるかな。でも励みになります。ありがとうございました。 7月締め切りの第17回小説現代長編小説賞、8月締め切りの第14回小説野生時代新人賞は毎年目標としている文学賞ですが、今年はどちらも応募ができませんでした。残念です。 9月は第43回横溝正史ホラー&ミステリー大賞、第19回坊っちゃん文学賞第20回北区内田康夫ミステリー文学賞の締め切りがあります。いずれもWeb応募が可能です。残念ながら昨年佳作をいただいた伊豆文学賞は応募できませんでした。 [緊急のお知らせ] SPAC‐静岡県芸術文化センター奥野晃士(おくのあきひと)さんが、オンライン企画『伊豆文学賞作品を語る会』にて、昨年佳作をいただいた拙作『戸川半兵衛の黒はんべ』について語ってくれるそうです。昨日、中学校の同級生秋山くんから連絡をもらいました。『戸川半兵衛の黒はんべ』は清水っ子のソウルフード黒はんべ(黒はんぺん)を発明した秋山くんの御先祖と駿河大納言忠長の家来戸川半兵衛との交流を描いたものです。資料が少ないのでほぼ私の妄想ですが、秋山くんがお父上から聞いた話を元にしています。この作品を書けたのは秋山くんのお陰です。 奥野さんはSPACのベテラン俳優だそうです。拙作をどのように解説していただけるのかとても楽しみです。どなたでも無料で聴くことができるようです。 9月21日(水)午後7時から。 https://www.facebook.com/events/802466920785134/ 詩誌「ココア共和国」への投稿を中心に活動しています。7月号傑作集に『うちにはねシタイがあるんだよ』、8月号傑作集に『白い消しゴム』、9月号傑作集に『黒い皿』をそれぞれ掲載していただきました。 月に何度か自分の心の深い場所にダイブして何かをつかんで来ます。つかんできた欠片をきっかけに詩ができることもあるし、ただの断片で終わることもあります。毎月、どんな詩が生まれるか自分でも分かりません。それがまた楽しみでもあります。 さらに深く潜りたいといつも思っています。ですがそれにはもっと勇気と覚悟が必要です。今月はもう少し深いところに手が届くのか。自分でもわかりません。 紙版(税込770円)、電子版(税込275円)があります。 購入、応募はこちらで↓ 詩誌「ココア共和国」ホームページ https://www.youyour.me/ 先日『黒い皿』を題材に「これは小説か詩か」を考察していただきました。パーソナリティは紀政諮(きのまどい)さんと現代詩人になりたいアーニャbotさん。 ツイキャスの番組名は「コーヒーハウスまどい」夏休み期間特別企画「オペレーション〈恐竜人間(ディノサウロイド)〉‐現代詩人の素養を身につけよ‐」です。 https://twitcasting.tv/shizen_writing/movie/745550580 企画のコンセプトは散文詩を読解して「詩か小説か」を判定するというものです。結論としては「小説」と判定されてしまいました。もちろん作者として詩として書いているわけですが、読者によって小説と思われても仕方がありません。紀政諮さんは19歳の学生さん、アーニャさんは年齢不詳ですが、おそらく若い方だと思います。若いお二人がどんな読解をしてくださるかドキドキしながら聞いていましたが、時間をかけて詩の深いところまで丁寧に見ていただき、とても参考になりました。普通に詩を書いていても、こんなに深く読んでいただく機会はあまりないので感激です。若い方の感性は素晴らしいですね。紀政諮さんの豊かな知識を背景とした考察もよかったし、紀政諮に促されて謙虚に語るアーニャさんの鋭い指摘にも驚かされました。 40数年前、大学の教授が話してくれた詩人の吉野弘さんのエピソードを忘れることができません。細かな部分は間違っているかもしれません。御容赦ください。 ある中学で『夕焼け』を教材とした研究授業がありました。その反省会で「少女が最後に席を譲らなかったのはなぜか、生徒から色々な意見がありましたが、作者としてどういう考えで書かれたのですか?」と司会者が吉野さんに質問したところ、「生徒さんそれぞれの考えを尊重します。私がどういう意図で書いたかは言うべきではありません」と突っぱねたそうです。 詩人が自作について語るのは愚かなことです。詩における謎は詩人から読者に手渡されるバトンであって、そのバトンがどんな色なのかどんな形なのかどんな重さなのかは、渡された読者が決めるべきものであって、もはや詩人がとやかく言うことではありません。読者に手渡されたバトンがその人生の中で何らかの意味を持てばいいのです。いや、意味なんかなくても心の引出しのかなにそっと仕舞われていればそれでいい。忘れ去られることさえ詩の役割なのだと思います。 『黒い皿』の中にもしも誰かが謎を見出したとしたら、その謎を自分なりに解釈してみたとしたら、そのときこの作品はその人にとって小説ではなく詩になるのだと思います。 新しい詩誌『凪』(石川敬大主宰)の同人にしていただきました。同人は現在21人。すでに詩集を出している方もいます。「ココア共和国」の仲間も何人かいます。創刊号は11月に発刊予定。楽しみです。 戯曲・演劇 四街道市民劇団「座・劇列車」は12月4日(日)の第32回本公演『オカリナの少年~クロスロード2』(作・演出:高平九)に向けて通し稽古をしています。9月から通し稽古を繰り返して少しでもいいお芝居をお目にかけられるように頑張っています。 この芝居の主人公は戦時中まで四街道にあった陸軍野戦砲学校で学んだ少年砲兵です。2期生の一部は11ヶ月で繰上卒業となり前線に送られました。大本営の誤った情報により彼らの乗った輸送船は五島列島西海上で敵の潜水艦の魚雷を受けて沈没。70名いた先発隊のうち目的地のに行き着いたのは29名でした。生き残った少年砲兵もフィリピン、ビルマの激戦地に送られ、無事に帰国できたのは8名だけ。物語では時を超える不思議なオカリナを手に入れた少年砲兵が、現代にやって来て老人となったかつての戦友と出遭います。 10月9日(日)に予定されている「四街道公民館まつり」に参加します。今年はコロナ感染予防のため日ごろ公民館を利用している団体のみの発表会となりました。一般の方は入場できませんのでご注意ください。役者もマスクを着けて演じます。 演目は劇団ラッパ屋の主宰鈴木聡さんの書かれた『村田さん』です。演出は私高平。村田さんという人物の通夜の受付が舞台です。30数分の短い芝居ですが、笑い→しんみりの仕掛けが実によくできていて、特に中高年にはしみる芝居かもしれません。次回はぜひ多くの皆さんにも観ていただきたいです。

キャストは団員の小林和子、北清香、林健太郎、山田光太郎、それに客演の坂尾維彦です。

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観劇
7月にはパントマイムの師やまさわたけみつ先生とパパイヤ鈴木さんの公演を観てきました。錦織一清さんがゲストということもあって満員の会場は女性だらけ。パパイヤ鈴木さんと若いダンサーさんたちが先生のマイム作品に参加。とても楽しい作品になりました。皆さん、さすがに身体の使い方が上手です。パパイヤさんとニッキのダンス講義も楽しかった。
8月にはやまさわ先生のマイムに関する講義を聞きに川崎まで行きました。「異文化交流」の講座の1つでした。会場のカフェには20名ほどの観客。マイムの歴史についの講義にはじまり、若き日の先生の活動やマイムとの出遭いなど、これまで断片的に聞いていた話をようやくまとめて聞くことができました。講演のあとはそれぞれの自己紹介をしたり、先生のアルバムを見せていただいたり、あるいはアビニョン演劇祭の失敗談など楽しいで盛り上がったり、とても楽しい時間でした。 同じく8月には第3回四街道オペラ『被爆はまゆうの伝説』を観ました。前半は病気から復帰なさった安藤由布先生のガラコンサート、後半が市民によるオペラでした。 市民オペラには劇団員の小林和子(天野夫人役)、『やまんば おゆき』にも出演していただいた小林重昭さん(尾島良平役)、小松勢津子さん、それに元劇団員の長澤志保子さんが参加しています。さらに千葉市民創作ミュージカル原作大賞の仲間、庄司真由美さん。ガラコンサートでの独唱も素敵でした。 この作品は西村一郎氏の『広島・被爆ハマユウの祈り』が原作だそうです。陸軍兵士尾島良平は任地の広島で譲られたはまゆうを兵舎の庭で大切に育てていました。しかし、尾島は原爆の投下によって被爆し、故郷の鎌倉に戻りました。終戦の3ヶ月後、ハマユウのことが気になった尾島は広島に行き瓦礫の下でハマユウが咲いているのを見つけます。そして放射能に負けずに生きたハマユウの花を平和の象徴として世界中に送ったそうです。 白いハマユウの花が一瞬にショールになったり、バレエダンサーがまるで妖精のように物語に花を添えたりと素晴らしい演出の作品でした。四街道市民の皆さんの平和への思いにあふれた舞台だったと思います。その思いを今度は座・劇列車が引き継ぐことができるように頑張ります。お疲れ様でした。 毎回、長くなり申し訳ありません。最後まで読んでいただきありがとうございました。                                         高平 九

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