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九の近況です。 [小説]

九の近況です。

4月に「第52回ENEOS童話賞」に初めて2作の童話を応募しました。一つの作品はしばらく前に興にまかせて書いたものです。もう一つは今回応募を意識して書きました。最近は道化師として子供と遊べないので、童話で子供の想像力に挑戦しようと考えました。意識したのには「なるべく書かないで、子供が書き込める余白をたくさん作る」こと。これがなかなか難しい。ついつい書き込みすぎてしまう。2つの作品は果たして子供に気に入ってもらえるかな。えっ、 選ぶのは大人ですって? 

「第52回ENEOS童話賞」(締め切りは5月31日です。まだ間に合いますよ)
https://style.ehonnavi.net/ehon/eneos/2021/03/03_001.html

「第16回千代田文学賞」にも応募しました。今回で3回目です。前回の反省を踏まえて余裕を持って書き進めたはずが、結局は締め切りの前日にほぼ徹夜で書き上げました。懲りない奴です。2匹目のドジョウならぬ2匹目の鯉は難しいか。

そうそう「ブックショート」の3月期優秀賞に選ばれました。この賞は、童話、民話、昔話、それにパブリック・ドメイン(著作権がすでに消滅した)の小説をもとにしたショートショート(5000字以内)の作品を募集しています。毎月、優秀賞が数作ずつ選ばれ、その中から年間の大賞が選ばれます。大賞に選ばれるとショートフィルムの原作にもなる可能性があるそうです。私はここ数年3月にしか出せていません。今回は書いている途中も応募する際にも「これは愚作ではないか?」という考えがよぎりました。愚作と思っても最後まで書く。そしてとにかく応募する。恩師の西田先生は「いつも傑作というわけにはいかないよ」と言ってくださいました。愚作を怖れず書きなさいということだと思います。とりあえず今年も月の優秀賞に選ばれてよかった。
『人間ドッグ』という作品です。よろしければこちらでどうぞ。

「ブックショートアワード2020年度3月期優秀作品」 『人間ドッグ』高平 九
https://bookshorts.jp/novel202103/4/

『ココア共和国』への詩の投稿も続けています。中学のときから詩を書いていて、詩を書くこと自体は特別なことではありません。もちろん数ヶ月、あるいは数年も書けないこともありました。でも、詩を書かなきゃいけない思ったことは一度もありません。それでも最近少し意識してきたかな。ずっと家に引きこもっていた人が、外に出る機会が増えて身だしなみに気を遣うようになったような感じです。ただ、今も投稿しなければというプレッシャーはあまりなくて何となく生まれてきた詩を投稿しています。傑作集に選ばれると紙版・電子版両方の詩誌に掲載されます。佳作集に選ばれると電子版のみに掲載されます。傑作集にはなかなか選ばれませんけど、佳作集には毎回選んでいただいて、才能ある若い人たちと自分の詩が並んでいることを純粋に楽しんでいます。秋吉久美子さんに「こりゃいいね」なんてもらおうものなら「キャッホー!」と声を上げて大喜び。それにしてもアマチュアとはいえ、いい詩を書く人がたくさんいますよ。きっとあなたの感性に寄り添う詩があると思います。ぜひ読んでみてください。紙版はイラストも可愛いので、バッグやポケットに入れて電車で取り出して読んだりしているとかなりおシャレだと思います。「『ココア共和国』お好きなんですか?」なんて声かけられたりするかも(笑)

5月号は珍しく傑作集に選ばれました。『殺され屋の憂鬱』という詩です。秋吉久美子さんの「こりゃいいね!」もいただきました。「キャッホー!」です。

紙版はAmazonで購入できます。電子版もAmazonなど電子書店に購入できます。また「ココア共和国」のサイトからは紙版・電子版どちらも購入できます。

「ココア共和国」 ココアショップ
https://www.youyour.me/cocoa-shop

先日、その『ココア共和国』のお仲間がTwitterで資生堂主催の「『詩』を探しています」という賞を紹介していました。そのときたまたま書いていた詩がその賞の趣旨にふさわしいと感じたので2作応募してみました。

「『詩』を探しています」
https://hanatsubaki.shiseido.com/jp/column2/12108/

そして、今は「第20回このミステリーがすごい!大賞」への応募作を書いているのですが、これがまた遅々として進まないのです。

来月6月20日は「第101回オール讀物新人賞」の締め切りです。この賞は今年から時代小説の短編に特化したので、「このミス」と並行して書いている作品を何とか書き上げて応募したいと思っています。

あれ? 座・劇列車『やまんば おゆき』の稽古も始まるし結構忙しいぞ。大丈夫かなあ。皆さん、こんな私ですが応援よろしくお願いいたします。
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英友会有志劇団ミュージカル『The Greatest Showman』観劇の感想 [観劇]

5月16日(日)英友会有志劇団『The Greatest Showman』を観て来ました。

英友会公演.jpg


会場は船橋市市民文化ホール、開演は18時でした。
あいにくの小雨模様。船橋駅から会場までは10分ほどでした。船橋市もまん延防止重点地区ですけど駅の周辺には多くの人がいました。

会場にはスタッフの方が大勢いて、検温、アルコール消毒など感染予防は万全でした。チラシも自分で取り、チケット代わりの施設使用申込書も自分で箱に入れるようになっていました。さらにテーブルを並べて順路を作り整然と入場できるように工夫されていました。

座席も1つおきを徹底していました。キャパが千人ほどのホールですが、観客は230人ほどだったそうです。お陰で感染も気にせずゆったりと観劇できました。

全編英語のセリフでした。英語が苦手なのでほとんど聞き取れませんでしたが、この作品は映画で観ていて、ストーリーやシーンについても覚えてたので不自由はありませんでした。しかし、おそらく私のように英語が苦手で、かつ映画も観ていない人であってもそれぞれの人物の葛藤や怒り、愛情などの感情は伝わったと思います。それほど思いのこもったパフォーマンスでした。

英語のセリフを語るだけでも容易ではありません。さらにセリフに感情を乗せて発するのは苦労なさったことでしょう。そして歌とダンス。稽古はさぞたいへんだったと思います。

有名な『This is me』という曲はサーカス団員の髭の女性レティが歌います。レティは拙作『東金レットイットビー』でお世話になった『ヤッサウエーブ』バーソナリティのブルボンまゆみこと庄司まゆみさんが演じていらっしゃいました。歌唱も力強くて素晴らしいものでしたが、群舞の迫力にも圧倒されました。髭というコンプレックスのため人前に出ることに恐怖を感じていたレティが、そのコンプレックスを克服して生きようという思いが伝わってきました。ダンスシューズがすり切れるほど稽古なさったそうです。お疲れ様でした。

『アニー』の演出で有名な篠崎光正先生の講習を受けたとき、「演劇は思いを秘めるもの、ダンスは思いをストレートに表すもの」と先生がおっしゃっていたことを思い出しました。ミュージカルとは秘めた思いの部分を歌やダンスで表に解放するものだと思います。抑圧され秘めれば秘めるほど、その思いは激しく表に噴き出すものなのでしょう。

同じく『東金レットイットビー』に出演してくれた戸田雅城さんは老いた主人公バーマムを演じていました。ずっと花道にいて場面と場面を回想でつなぐ役割なのですが、何ともいい雰囲気で物語の案内役を演じていらっしゃいました。つらいシーンがあっても戸田さんのバーナムが出てくると癒やされて、次のシーンへの期待がふくらみました。休憩前に花道で眠ってしまって、女の子に起こされるシーンはサイコーでした。本当に寝たと思った人もいたみたいです。お疲れ様でした。ゆっくり寝てください。

もう1人『東金レットイットビー』に出演してくれたうおちゃん。ダンサーとしてサーカス団員の妖精ベルを演じていました。最前列での弾けるようなパフォーマンス見事でした。バーナムが最初に集めたサーカス団員はそれぞれにコンプレックスを抱えた「フリークス」と呼ばれる人たちでした。彼らが自分を蔑む周囲の目や内なるコンプレックスと戦い、それを跳ね返そうとする激しい感情がステージから溢れてホールを満たしていましたね。私も手拍子だけでなく足も踏み鳴らしながら興奮していました。お疲れ様でした。

このコロナ禍の中で公演に踏み切った劇団とそのメンバーに敬意を表します。コロナウィルスをも吹き飛ばす素晴らしいパフォーマンスでした。もっとたくさんの観客がいたらホールが揺れるほどの歓声と手拍子が起こったことでしょう。それがやはりちょっと残念でした。でも、とてもすっきりしました。これで明日もコロナの抑圧の中を生きていけると勇気をもらった気がします。

皆さん、本当にお疲れ様でした。

↓ まだ『The Greatest Showman』を観ていない方はこちらで。あの『ラ・ラ・ランド』のスタッフが作った傑作ミュージカルです。



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御礼『俺らってやっば天使じゃねえ?』公演 [戯曲]

5月9日(日)に座・劇列車の拙作『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』公演が無事終了しました。

団員がそれぞれ声をかけて40名のお客様に来ていただきました。千葉県演劇連盟に加盟している団体の皆さんも来てくださいました。本公演『やまんば おゆき』に参加してくださる皆さんもいました。私の千葉市ミュージカルの仲間も応援に来てくれました。中には私の清水二中時代の同級生もいました。それから、この作品を最初に演じてくれた演劇部の顧問たちも応援に来てくれました。皆さん、まだまだ感染の危険が去らない中、御来場本当にありがとうございました。

そして、『やまんば おゆき』の演出福山啓子先生にもいらしていただきました。とても緊張しましたが観ていただくだけで感激でした。ありがとうございました。

喜劇なのにあまり笑ってはいただけませんでした。喜劇は難しいですね。ゲネを観たときにはかなり面白かったので自信があったのですが、まだまだ甘かったのかもしれません。団員は短い稽古期間のなか、ほとんど休まず稽古に参加してくれました。私の細かい演出にもしっかり反応してくれました。ですから団員のみんなにも感謝しています。ウケなかったのはひとえに作・演出の私の責任です。さらに精進してもっと笑っていただける作品を作りたいと思います。

私の書く戯曲はほとんどが喜劇ですけど、いつの間にか悲劇を連れてきます。今回の作品も神原家という家族が1億円の借金を抱えるという悲劇が喜劇の裏側に貼りついています。それは意識しているのではなくて何となくそうなってしまうのです。

世の中には誠実に一生懸命努力して生きているのに報われない人がたくさんいます。新型コロナウィルスの恐怖にさらされている今、状況はさらに深刻だと思います。でも、喜劇で笑われるのは決まってそんな人々です。

真面目に頑張っているのにどこかユーモラスな人たちは、つまり自分たちの写し絵です。人が必死になればなるほど、観ている人は可笑しくてたまらない。残酷なようですけど人は自分の写し絵を見てよく笑います。

話は少し逸れますが、欧米の道化師にはホワイトクラウン、オーギュスト、トランプ、ホーボーなどの種類がありますけど、ほとんどのモデルは浮浪者です。「クラウンClown」※というのは元々浮浪者を指す言葉です。「ホーボー」は鉄道をタダ乗りする人々のことです。鼻が赤いのは酔っ払っているから、口の周囲が黒いのは汽車の煤、口の周りだけ白いのは何かを食べたあと袖で拭ったからです。人々がクラウンやホーボーを観て笑うのは、1つ間違えば自分がそうなったかもしれない、どんなに頑張ってもいつかはああなるかもしれない、と自分と彼らを重ねて観るかではないかと思います。もしかすると子供が道化師を怖がるのは本能的に自分の人生に恐怖を覚えるからかもしれませんね。

「あいつ馬鹿だなあ」と大笑いすることで自らを客観化して少しは楽になれるのです。厳しい現実の枷をほんの少しだけ緩めることができるのです。お芝居のできることなんてそのくらいでいいと私は思っています。

 ※クラウンについて ちなみにCrownは王冠のこと。日本で道化師を「クラウン」と言わないのはある自動車会社に忖度したからだとか。「コロナ」も実は「Crown」と同じ王冠という意味の言葉です。皮肉ですね。

コロナ禍のなか、応援に来ていただいた皆さん、本当にありがとうこざいました。観に行きたかったけどコロナが怖くて行けなかったという皆さん、お気持ちはよくわかります。気にしないでください。

座・劇列車の次回作、『やまんば おゆき』は私のオリジナル作品ではありませんが、30年前に使った西田了先生の朗読劇の脚本をもとに私が脚色したものです。脚色にあたって演出の福山啓子先生。船津基先生に多くのご助言をいただきました。そのお陰でいい本に仕上がったと自負しております。

12月になればワクチンも行き渡り、今よりはコロナのことを忘れて生活できるようになるでしょう。

コロナ明けのお祭りだと思って観に来てくだされば嬉しいです。

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いよいよ明後日『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』本番です [戯曲]

明後日『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』本番です。

座・劇列車では演出はやりたくなくて、これまでは自作であっても固辞してたんですけど、小品だけは仕方なく引き受けていました。

以前、千葉でやった『白雨五人男女?(しらさめごにんおとこおんなはてな)』という作品以来2作目。
この公演は様々な芸事、日舞、三味線、お琴、ダンスなどの発表会だったので、お客様もそれらの芸事をやっている方ばかり。ミュージカル『コーラスライン』と『白浪五人男』をベースに『雨に唄えば』で踊り、『雨の慕情』を歌うというシュールな喜劇をどう受け止めてくれるかとても不安でした。

5つの役の中で、もっとも不安だったのは女子高生でした。60歳代の女性が女子高校生に見えるかどうかがこの芝居のキモでした。でも、たまたま楽屋が一緒になったダンスサークルの皆さんがあれこれと助言してくれたお陰で本番直前に素晴らしい女子高校生が完成しました。ほんとにどんなことがプラスになるかわからない。イベントに出るべきだし人とは交わるべきだとつくづく思いました。もちろん役者本人がなりふりかまわず貪欲に役を追求した成果でもあります。

結果はこんなにウケたことはないほどウケました。お客様の反応に役者もノリノリで、いつになくいいパフォーマンスを見せていました。役者と観客の相乗効果って大切ですね。役者の頑張りが見えれば、お客様も応援してくれます。

さて、今回の『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』はどうでしょうか?

キャストがマスクを着けている変なお芝居。その上、ホールは音響が悪い。舞台を使うと何を言ってるのか伝わらないので、下でやります。そうなるとお客様から見えづらい。ソーシャルディスタンスをとって、しかも舞台が見えるようにするには40人が限界。そんな制約の中でどんな芝居になるのやら。

本番には『やまんば おゆき』を演出してくださる福山啓子先生も来てくださるそうです。嬉しいけどプレッシャー。他のお客様もほとんどミュージカルの常連とか小劇団の主宰、あるいは演劇部顧問。
そんな通ばかりの前で演じるのかあ。

と私は思っているんですけど、意外に他のキャストは意に介さないようで落ち着いています。

さあ、どんな公演になりますか。終演後にレポートしますね。
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