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千葉駅零時九分発内房線最終電車殺人事件 [戯曲]

久しぶりに山田組のための小品を書きました。
千葉駅零時九分発内房線最終電車殺人事件』という作品です。山田組の作品としては『バスジャックプレイヤー』『俺らってやっぱ天使じゃねえ』に続いて3作目です。

山田組は千葉県高校演劇部第8地区顧問有志とOBなどで作っている劇団です。これまで「小芝居祭」の最後に短い芝居を上演してきました。「小芝居祭」とは第8地区高校演劇部が集まって開催している演劇祭です。

台本(既製または創作)はあらかじめ配付されますが、山田組としての稽古時間は部員たちがリハーサルをしている2日間だけです。でも、かなり本気でやってます(笑)

小芝居祭」自体は今年も開催できましたが、今年も山田組の出番はありませんでした。来年こそはという祈りを込めて新作を書きました。

バスジャックプレイヤー』はエレベーターを舞台とした名優ジャック・レモンの名作短編の趣向を借りて作りました。舞台は乗合バスの車内です。
突然乗り込んできたバスジャック犯人。ところが客の中に長い間離ればなれになっていた親子がいて……。

俺らってやっぱ天使じゃねえ』は『カサブランカ』の監督マイケル・カーチスの『俺たちは天使じゃない』という映画へのオマージュという思いで作りました。主演はハンフリー・ボガート。この映画は後にロバート・デ・ニーロ主演でリメイクもされています。
主婦の真莉が男を拾ってくる。次女の美加は毎度のことなので驚かない。真莉は無類のお人好しで困っている人を放っておけない性格なのだ。そこに長女安珠の恋人や借金取りが現れて……。

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千葉駅零時九分発内房線最終電車殺人事件
題名を見てすでにお気付きの方もいらっしゃると思いますが、今作はわたくしが崇拝するアガサ・クリスティー先生の名作の匂いをそこはかとなく漂わせた作品となっております。ぜひアガサ臭を楽しみながら観ていただければ幸いです。

とは言え、いつになったら上演できるかわかりませんので、とりあえずいつもの場所に台本を上げておきます。山田組より先に上演なさりたい方は御連絡ください。

いつもの場所↓

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『オカリナの少年~クロスロード2』について [戯曲]

四街道市民劇団「座・劇列車」第31回本公演で拙作『オカリナの少年~クロスロード2』を上演してくれることになりました。本公演では『クロスロード~運命をつなぐ四つ辻』『人情喜劇カリホルニアホテル』に続き3作目です。

来月から3名のニューフェイスを迎えることになり、現在、キャストを増やして台本を書き直しています。

また、探していた「平和よ永遠に~少年砲兵史」(少年砲兵史編集委員会)という資料も、ようやく手に入れることができました。

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今、イトーヨーカ堂(四街道店)のある場所には戦時中まで陸軍野戦砲兵学校がありました。

文化センターの隣にルボン山(大土手山)という小山があります。かつてこの下志津原が佐倉藩の火業所(砲術の練習場)だった頃、この山が射朶(しゃだ・目標)として使われていました。明治以降も引き続き陸軍が野砲の訓練に使っていました。総武本線が開通し四街道駅ができると、駅の方面に大砲を撃つのは剣呑だという理由から、ルボン山の方から撃つことになったそうです。そのとき砲兵学校はもちろん、周辺の店などが一度に駅の近くに引っ越しを余儀なくされました。

終戦近くなると兵士、中でも知識と経験のある下士官が不足したのでしょう。それまで徴兵の対象外だった15歳から18歳までの少年兵を募集しました。2年弱の訓練で下士官になれるということもあって、全国から応募者が殺到したようです。昭和17年12月に四街道の野戦砲兵学校(生徒隊)に入学した一期生120名は19年5月に卒業後、それぞれの任地に向かいました。2期生は417倍の難関の中から選ばれた優秀な生徒たちでした。昭和18年12月に入学、その半数の70名が翌年の11月に繰り上げ卒業しましたが、門司港から南方戦線に向かう輸送船団が潜水艦に襲われ41名が亡くなりました。生き残った29名はそれぞれ激戦地に送られ無事に復員したのは8名に過ぎませんでした。後発の二期生は昭和20年3月に卒業し、それぞれの任地に赴任しました。三期生、四期生は在校時に終戦となりました。

「少年砲兵史」には四街道の陸軍野戦砲兵学校で学んだ生徒たちの記録が、復員した元生徒たちの手記を中心にまとめられています。断片的だった私の知識もこれを読むことでようやくまとまってきました。情報は大事ですね。二期生の乗った輸送船が襲われたのも元をただせば台湾沖航空戦での戦果が誤って(あるいは故意に歪められて)伝えられたことが原因でした。航空戦で大勝し、その海域は安全だからと輸送船団を送ったそうです。

フェイクニュースにも気を付けなければいけませんが、政府からの情報も鵜呑みにしてはいけませんね。状況が苦しくなると都合のいい情報しか流さない。これは今も昔も同じなのかもしれません。

『オカリナの少年~クロスロード2』は前作『クロスロード~運命をつなぐ四つ辻』の2場から派生したスピンオフ作品です。前作にも登場した不思議な婆さん小野とき、それから女医者新藤久子も再び登場します。久子の弟が少年砲兵だったという話は前作にも話題として語られますが、今作ではその弟幸平が主人公です。

幸平がときからもらったオカリナを吹くと……おっとここから先は12月4日(日)公演まで秘密です。

四街道が舞台の物語なので、特に四街道市民の皆さんに観ていただきたいと願っております。そして、この作品を観てくださることをきっかけに今一度「戦争」について考えていただきたいと思います。

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明けましておめでとうございます。 [戯曲]

明けましておめでとうございます。

昨年は私が脚色を担当した『やまんば おゆき』(座・劇列車第31回公演)をご覧いただきありがとうございました。

また、5月9日には拙作『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』を同じ劇列車が上演してくれました。感染予防のためにマスクをしての上演でしたが、こちらも多くの皆さんに観ていただくことができました。ありがとうございました。

明日はある高校が拙作『バスジャックプレイヤー』を上演してくれます。若い人たちの演じる『バスジャックプレイヤー』とても楽しみです。

詩作の方は詩誌『ココア共和国』にお世話になりました。投稿した詩のうち6作を傑作集に、残り6作を佳作集に掲載していただきました。選者の一人女優の秋吉久美子様から「こりゃいいね!」も6回いただきました。

3月号にはエッセイも掲載していただきました。生まれて初めて詩誌にエッセイが載りました。感激です。

『ココア共和国』には様々な年齢の人が個性あふれる詩を投稿しています。「こういう詩もあるんだなあ」ときっと驚かれることでしょう。ぜひ一度手に取ってお読みになってみてください。紙版と電子版があり、紙版には傑作集の詩が、電子版には傑作集、佳作集両方の詩が掲載されています。

小説の方は長編を1篇、中編を3篇、短編を1篇書きました。長編は今年2月に応募するため推敲の最中です。長い時間をかけて書いてきたミステリーです。中編は3篇とも地方文学賞に投稿しました。うち1篇は落選。他の2篇はまだ選考中です。短編は月間の優秀賞に選ばれました。

他にも旧作を書き直して5篇を応募しましたが、すでに3篇は落選しています。

昨年は人とのつながりが希薄になった年ではありましたが、一方では新しいつなかりが生まれた年でもあります。そのつながりの中で書いた小説もあります。詩や小説を書くことによってそういうつながりがもっと増殖して、来年はさらに新しい作品をものすことができるかもしれません。コロナ禍も悪いことばかりではない。そう思いたいものです。

脚本は現在執筆中です。これまでは書き始めれば長いものでも半月もかけずに書き上げていたのですが、今回は時間がかかっています。7日には劇団のコンペがあります。あとはエピローグだけ。気に入ってもらえるかわかりませんが、今日明日と頑張ります。
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昨年は執筆はあまり捗りませんでしたが、その分『やまんば おゆき』公演の演出助手に集中できました。それなりに充実した年だったと思います。 今年のことはまだわかりませんが、小説は構想まで進んでいる2篇の長編、これまでも目標としてきた地方文学賞に応募する中編などを書くつもりです。それにできれば純文学作品にも挑戦したいと考えています。 今年もお見捨てなく応援よろしくお願いいたします。

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新作執筆中! [戯曲]

先日、座・劇列車の稽古納めでした。

現在は来年度の公演作品について選定作業が行われています。

私の新作も候補の1つなんですが、今回は執筆が遅れていて1月の最初の稽古まで時間をもらっています。というわけで、目下よもやよもやの全集中で執筆中。

一応、劇団の座付作家ということになっていますが、これまでも私の作品を優先して上演してもらったことはありません。必ずコンペという形で他の候補作品と比べて決めてもらっています。別に自作に自信があるわけではありません。でも、座付作家の作品には台本使用料がいらないとか改作が自由だとか様々なメリットがあります。アドバンテージがないと既成の作品にはとても勝てません。

劇団の恩師西田了先生は「地元四街道を舞台にした作品を書きなさい」とよくおっしゃっていました。
四街道は東京のベッドタウンという側面を持っています。「四街道で生まれた子たちが故郷だと実感できるような作品」というのが先生の注文でした。

私の最初の作品『クロスロード~運命をつなぐ四つ辻』は、「四街道」というの地名と元になった四街道十字路が舞台です。上演の数年前、台風などで倒れると危険だということで十字路のシンボルだった榎(えのき)の大木が伐られてしまっていました。その榎の木陰は江戸時代から街道を行き交う人々の憩いの場でした。筋向かいには井戸には井戸があり、旅人の渇いた喉を潤したそうです。その井戸の跡にも1年ほど前に消防の施設が建てられ塞がれてしまいました。

正岡子規が新聞記者だったときに開設間もない総武本線に乗車して、沿線の駅で俳句を詠んだことは知られています。四街道駅でも「棒杭や四ツ街道の冬木立」という句を残しています。子規が地名の由来と言われるこの四つ辻を訪れて、街道の標識である棒杭と冬枯れした榎の大木を題材に詠んだ句のようです。

『クロスロード』は幕末、終戦の年、現代を3つの時代を舞台に、四つ辻でつながった人々の運命について書きました。もちろんまったくのフィクションですが、佐倉藩主堀田正睦が関わった日米修好通商条約、千葉空襲などを背景に懸命に生きる普通の人々の姿を描いたつもりです。お陰様で多くの皆さんに喜んでいただきました。四街道に住んでいても地名の由来となった四つ辻を知らない方も多く、この芝居を観てから初めて四つ辻を訪れた方もいらしたようです。榎の大木はもうありませんが、その代わりに植えられた若木が今ではかなり成長しています。先日テレビ東京の旅番組にもちょっとだけ登場しました。興味のある方は台本を下記の場所に上げてありますので、「脚本を読みたい!」→「作者名」→「高平九」で検索して読んでみてください。

脚本登録&公開サイト「はりこのトラの穴」
https://haritora.net/

さて、新作はこれから稽古始め1月7日までの間にどんな作品になるか私にもわかりません。でもやはり地元に関係のある作品です。四街道の人が地元を知り、地元を愛してくれることを祈って書いています。

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『やまんば おゆき』公演御礼 [戯曲]

四街道市民劇団 座・劇列車 第31公演『やまんば おゆき』が無事終演いたしました。

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一昨年、30周年には『やまんば おゆき』をやろうという話になりました。まだ劇団になる前、四街道市民の皆さんが上演した作品です。

脚本と演出は、劇団あすなろを主宰していらした西田了先生でした。

早速、30年前の初演に参加した劇団員に当時の台本を借りて読んでみました。朗読を多くの人が代わる代わる担当して、その間にちょっとした芝居をする。時には木になったり石になったりすることもあったそうです。基本は朗読劇でした。西田先生らしいとても面白い台本でした。

今回は本格的なお芝居にしようということになり私が脚本を担当することになりました。

原作(浜野卓也 作・箕田源二郎 絵)の童話を購入してみました。読んでみると美しい自然描写がたくさんありました。村の生活や人々の生き様も鮮やかに描写され表現されていました。

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私は取り憑かれたように台本を書き上げました。朗読ではなく普通のお芝居にするのが私の使命でしたが、どうしても原作と西田台本にある「語り」だけは削ることができませんでした。作品の時間が川の流れのように、うねりながら溢れながら枯れながら流れてゆく様を表現するのには「語り」が必要でした。

主な舞台は遠州です。まさに天竜川の流れのように重要な登場人物の死さえも易々と押し流して時間は流れていきます。「語り」の役割は重要でした。

でも、流れの行き着く先はわかりません。それもまた作品の魅力だと思いました。客席に投げられた大久保の最後のセリフは、観客の心にも新しい流れを生みます。観客の皆さんは与えられた流れとご自身の時間の流れを重ねることになります。その設定が私のいちばんのお気に入りです。

「語り」に話を戻しましょう。書いた当初は「語り」は1人にしました。お客様を楽しませるには複数人でやった方がいいかなとも考えました。頭に浮かんだのはかしまし娘やキャンディーズのような3人娘でした。でも、朗読の流れを切りたくなかったので結局1人にしました。本を持って落ち着いて語ってもらおうと思いました。

しかし、台本を演出の先生方に見せたところ、最初に指摘されたのは「語り」のことでした。「語り」は複数人でやった方がいいと助言されたのです。それも本を持たずに暗記してやった方がいいということでした。私は迷いました。役者への負担もありますが、せっかくの朗読が切られてしまうことを危惧したのです。ですがこれは私のまったくの杞憂でした。桜桃梅は苦労しながらもしっかりセリフを覚えてくれたました。それに美しい描写もまた3人が連携して流れるように語ってくれました。劇列車のキャンディーズのファンになった方は多いと思います。

もう一つ助言されたのは歌でした。オリジナルには歌が2曲すでにありました。作品の主題歌とも言えるおゆきの子守歌、そしてヒヨドリの歌です。その他にトチの実団子の作り方やコギノ織りを歌にしたらどうかという提案でした。私は詩も書きますが歌詞は大の苦手です。悩みましたがトチの実団子を作る工程やコギノ織りを織る人の思いを考えながら書いてみたら、意外にすんなりと書くことができました。出演者の一人でもある古葉重而氏が曲を付けてくださったので素晴らしい歌になりました。やまんばキャンディーズ、もとい桜桃梅が溌剌とした歌とダンスのパフォーマンスで盛り上げてくれました。

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それ以外にも細かな助言をいただき上演台本ができあがりました。私にとってはとても貴重な経験になりました。演出の先生方には感謝しております。

私はすでに来年の公演に向けて脚本を書いています。コンペですので採用されるかどうかわかりませんが、「いつも傑作とは限らないからね」という西田先生のお言葉を思い出しながら書き上げようと思います。よろしければ来年も座・劇列車公演をよろしくお願いいたします。

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『バスジャックプレイヤー』 [戯曲]

拙作『バスジャックプレイヤー』を来年正月に、ある高校が上演してくれるようだ。とても嬉しい。

少し前、東京の中学校からも『バスジャックプレイヤー』の上演許可がほしいという連絡があった。もちろんメールで許可する旨を伝えたのだが、そのあと何の連絡もない。おそらくコロナ禍のために中止になったのではないだろうか。残念だ。

高校演劇の大会は開催されている。ただまだ一般客は入れないそうだ。それでも春の大会で部員の一部が別室でモニター鑑賞したのと比べると少しずつ状況はよくなっているのだろう。

劇場やホールも少しずつ人数制限をゆるめていると聞く。

他の国の状況を見るとまだまだ油断はできないけれど、以前に近い日常を早く取り戻したいものだ。


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御礼『俺らってやっば天使じゃねえ?』公演 [戯曲]

5月9日(日)に座・劇列車の拙作『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』公演が無事終了しました。

団員がそれぞれ声をかけて40名のお客様に来ていただきました。千葉県演劇連盟に加盟している団体の皆さんも来てくださいました。本公演『やまんば おゆき』に参加してくださる皆さんもいました。私の千葉市ミュージカルの仲間も応援に来てくれました。中には私の清水二中時代の同級生もいました。それから、この作品を最初に演じてくれた演劇部の顧問たちも応援に来てくれました。皆さん、まだまだ感染の危険が去らない中、御来場本当にありがとうございました。

そして、『やまんば おゆき』の演出福山啓子先生にもいらしていただきました。とても緊張しましたが観ていただくだけで感激でした。ありがとうございました。

喜劇なのにあまり笑ってはいただけませんでした。喜劇は難しいですね。ゲネを観たときにはかなり面白かったので自信があったのですが、まだまだ甘かったのかもしれません。団員は短い稽古期間のなか、ほとんど休まず稽古に参加してくれました。私の細かい演出にもしっかり反応してくれました。ですから団員のみんなにも感謝しています。ウケなかったのはひとえに作・演出の私の責任です。さらに精進してもっと笑っていただける作品を作りたいと思います。

私の書く戯曲はほとんどが喜劇ですけど、いつの間にか悲劇を連れてきます。今回の作品も神原家という家族が1億円の借金を抱えるという悲劇が喜劇の裏側に貼りついています。それは意識しているのではなくて何となくそうなってしまうのです。

世の中には誠実に一生懸命努力して生きているのに報われない人がたくさんいます。新型コロナウィルスの恐怖にさらされている今、状況はさらに深刻だと思います。でも、喜劇で笑われるのは決まってそんな人々です。

真面目に頑張っているのにどこかユーモラスな人たちは、つまり自分たちの写し絵です。人が必死になればなるほど、観ている人は可笑しくてたまらない。残酷なようですけど人は自分の写し絵を見てよく笑います。

話は少し逸れますが、欧米の道化師にはホワイトクラウン、オーギュスト、トランプ、ホーボーなどの種類がありますけど、ほとんどのモデルは浮浪者です。「クラウンClown」※というのは元々浮浪者を指す言葉です。「ホーボー」は鉄道をタダ乗りする人々のことです。鼻が赤いのは酔っ払っているから、口の周囲が黒いのは汽車の煤、口の周りだけ白いのは何かを食べたあと袖で拭ったからです。人々がクラウンやホーボーを観て笑うのは、1つ間違えば自分がそうなったかもしれない、どんなに頑張ってもいつかはああなるかもしれない、と自分と彼らを重ねて観るかではないかと思います。もしかすると子供が道化師を怖がるのは本能的に自分の人生に恐怖を覚えるからかもしれませんね。

「あいつ馬鹿だなあ」と大笑いすることで自らを客観化して少しは楽になれるのです。厳しい現実の枷をほんの少しだけ緩めることができるのです。お芝居のできることなんてそのくらいでいいと私は思っています。

 ※クラウンについて ちなみにCrownは王冠のこと。日本で道化師を「クラウン」と言わないのはある自動車会社に忖度したからだとか。「コロナ」も実は「Crown」と同じ王冠という意味の言葉です。皮肉ですね。

コロナ禍のなか、応援に来ていただいた皆さん、本当にありがとうこざいました。観に行きたかったけどコロナが怖くて行けなかったという皆さん、お気持ちはよくわかります。気にしないでください。

座・劇列車の次回作、『やまんば おゆき』は私のオリジナル作品ではありませんが、30年前に使った西田了先生の朗読劇の脚本をもとに私が脚色したものです。脚色にあたって演出の福山啓子先生。船津基先生に多くのご助言をいただきました。そのお陰でいい本に仕上がったと自負しております。

12月になればワクチンも行き渡り、今よりはコロナのことを忘れて生活できるようになるでしょう。

コロナ明けのお祭りだと思って観に来てくだされば嬉しいです。

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いよいよ明後日『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』本番です [戯曲]

明後日『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』本番です。

座・劇列車では演出はやりたくなくて、これまでは自作であっても固辞してたんですけど、小品だけは仕方なく引き受けていました。

以前、千葉でやった『白雨五人男女?(しらさめごにんおとこおんなはてな)』という作品以来2作目。
この公演は様々な芸事、日舞、三味線、お琴、ダンスなどの発表会だったので、お客様もそれらの芸事をやっている方ばかり。ミュージカル『コーラスライン』と『白浪五人男』をベースに『雨に唄えば』で踊り、『雨の慕情』を歌うというシュールな喜劇をどう受け止めてくれるかとても不安でした。

5つの役の中で、もっとも不安だったのは女子高生でした。60歳代の女性が女子高校生に見えるかどうかがこの芝居のキモでした。でも、たまたま楽屋が一緒になったダンスサークルの皆さんがあれこれと助言してくれたお陰で本番直前に素晴らしい女子高校生が完成しました。ほんとにどんなことがプラスになるかわからない。イベントに出るべきだし人とは交わるべきだとつくづく思いました。もちろん役者本人がなりふりかまわず貪欲に役を追求した成果でもあります。

結果はこんなにウケたことはないほどウケました。お客様の反応に役者もノリノリで、いつになくいいパフォーマンスを見せていました。役者と観客の相乗効果って大切ですね。役者の頑張りが見えれば、お客様も応援してくれます。

さて、今回の『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』はどうでしょうか?

キャストがマスクを着けている変なお芝居。その上、ホールは音響が悪い。舞台を使うと何を言ってるのか伝わらないので、下でやります。そうなるとお客様から見えづらい。ソーシャルディスタンスをとって、しかも舞台が見えるようにするには40人が限界。そんな制約の中でどんな芝居になるのやら。

本番には『やまんば おゆき』を演出してくださる福山啓子先生も来てくださるそうです。嬉しいけどプレッシャー。他のお客様もほとんどミュージカルの常連とか小劇団の主宰、あるいは演劇部顧問。
そんな通ばかりの前で演じるのかあ。

と私は思っているんですけど、意外に他のキャストは意に介さないようで落ち着いています。

さあ、どんな公演になりますか。終演後にレポートしますね。
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てるこ姫七変化!~『東金レットイットビー』 [戯曲]

てるこさんが拙作『東金レットイットビー』を、なんと1人7役で演じてくださいます。

期日 2月5日(一場)、19日(二場)、3月5日(三場)の3回

時間 午後7時30分~8時
   YASSAWAVE『ブルボンまゆみの政子まけないわよ』番組内での生放送です。

「YASSAWAVE」は千葉県東金市のローカル・インターネットメディア局です。

スマホ(WALLOPアプリ)、パソコンで観ることができます。

パソコンの場合はこちらから↓

http://www.yassawave.com/

てるこさんも、番組パーソナリティーのブルボンまゆみさんも、千葉市民創作ミュージカルのメンバーです。

この作品はブルボンさんから番組用に「恋愛」をテーマにした朗読劇をと依頼されて書きました。

昨年の8月7日、21日に県内で活躍している俳優さんたち11人が、2チームに分かれて演じてくださいました。その様子はYouTubeでもご覧いただけます。

8月7日組
https://youtu.be/Dga7xQzXlJ0

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8月21日組
https://youtu.be/fjtjevBpn9k

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てるこさんも21日組の出演者として、古稀の葵という役を実に愛らしく演じてくださいました。

その後、朗読会で1人7役を演じてたいへん好評だったと聞いておりましたので、ぜひ拝見したいと思っていました。ですから今回拝見できることをとても嬉しく思っています。

てるこ姫七変化、ぜひご覧ください。


ここで作品の舞台となる東金の八鶴湖について少しだけ。

1614年(慶長19年)、徳川家康は土井利勝に命じて船橋を経由して九十九里に達する「御成街道」を整備させました。

「御成街道」にはいくつかの御殿がありましたが、終点近くの最後の造られたのが「東金御殿」でした。三方を「鴇が峰(ときがみね)」という丘に囲まれており、盆地には「とき池」という小さな池があったそうです。東金御殿の眺望のためにとき池は拡張され周囲約800メートルの池になりました。人々はこの池を「谷池(やついけ)」「御殿池」などと呼んでいました。幕末の詩人遠山雲如という人が「八鶴湖」と名付けたそうです。

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「東金(とうがね)」という地名の由来は「鴇が峰」だとも言われています。

現在「東金御殿」の跡地には県立東金高等学校が立っています。

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春になると湖畔の300本のソメイヨシノが咲いて「東金桜まつり」が催されます。また、他の季節にもツツジ、ハナショウブ、ハス、アジサイなど四季折々の花が咲いています。

湖畔にある「八鶴亭(八鶴館)」は北原白秋、伊藤左千夫にも愛された明治期創業の老舗旅館です。大正から昭和にかけて造られた建物は国の登録有形文化財。先日、あるドラマの舞台としても使われていました。

鴇が峰の丘の上には最福寺、大漸寺という古刹があり、階段さえ苦にならなければ一見の価値ある立派な堂宇を見ることができます。
湖畔の遊歩道を上がると「山王台公園」があり、晴れた日には九十九里平野と太平洋を観ることができます。日の出を観るスポットとしても知られています。
東金駅から徒歩約10分(約500メートル)、コロナ明けにぜひ散歩にいらしてください。
近くの旧道沿いにはカステラパンで有名な木村屋、作品の中にも出てくるくず餅屋がありますよ。

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天女はどこに?~千葉市民創作ミュージカル無期延期 [戯曲]

第2回千葉市民創作ミュージカル千年天女』が無期延期となりました。

一昨年「第2回千葉市民創作ミュージカル原作大賞」に応募した拙作『千年天女』が大賞をいただき今年の6月に上演予定でした。3月からは新型コロナウィルスの影響で稽古が中止になり、その後上演も延期となっていましたが、来年の上演についても難しいという判断が下り、無期延期となりました。

今の状況を考えると50人以上の人が狭い稽古場で歌ったり踊ったりお芝居をしたりするというのはとても難しいことです。ましてプロの演劇人ではなくあくまで全員が市民ですから、今回の判断は仕方がないことだと思います。

脚本も私が書かせていただきましたが、ミュージカルの台本など書いたことがありませんでしたので、演出の小笠等響先生が手直しをしてくださいました。歌詞はすべて小笠原先生に書いていただきました。

作曲は日高哲英先生歌唱指導は横洲かおる先生振付は小林真梨恵先生がそれぞれ担当してくださり、オーディションで選ばれた出演者の皆さんも熱心に稽古に取り組んでいました。私も出演者の一人に加えていただきました。

小笠原先生作詞、日高先生作曲の楽曲はどれも素晴らしいものばかりです。横洲先生の歌唱指導も進み、参加者の歌声がそろってくると心が震えるほどの感動を覚えました。

読み合わせが終わり、立ち稽古に移行したばかりの時に稽古が中止になりました。とても残念です。

県庁の近くに羽衣公園という公園があります。かつてここには池田という大きな池があり、季節になると蓮の花が水面を飾ったそうです。あまりの美しさに天女が舞い降りて、千葉氏の元祖とも言われる平常将と結婚したという伝説が羽衣公園の松の傍らに書かれています。

千年天女』はこの伝説をもとに書きました。常将と結ばれた天女がそのまま千年のあいだ地上にいて人々が平和を求める姿を見守り続けたという物語です。天女の願いが叶い日本は70年に渡って平和でした。しかしそのあいだも世界のどこかでずっと戦争は続いています。

そしてこの新型コロナウィルス。

天女は何を思うのでしょうか。

トンネルの暗闇には光が必要です。どんなに遠くでも出口の光が見えていれば挫けずに進むことができるものです。

千年天女』の上演が私にとっての希望の光です。新型コロナ禍という暗闇を抜けて千葉市民ミュージカルという祭りをみんなで楽しみましょう。それはかつて池田の池の周りで蓮の花を愛でた踊った民衆の姿でもあります。彼らもまた戦が終わったときには平穏な日々を祝って踊ったことでしょう。

千葉市民ミュージカルのグループLINEにはまだ46人の仲間が残っています。彼らも私も希望は失っていません。

実行委員会、文化振興財団の皆さんも上演に向けて努力してくださっています。

千葉市民ミュージカル千年天女』いつの日か上演することを信じて今日もまたお風呂で歌います。
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