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ホラー小説を書きました。 [小説]

ホラー小説を書いて新人賞に応募しました。
四百字詰め原稿用紙約100枚分です。

ホラー小説は3本目ですけど、ホラーって夜中に書いていると自分でも背筋がひやっとすることがあります。でも今回はあまり怖くなかったかも。

今は現実の状況が怖いからかもしれませんね。ゲームや映画でお馴染みのパンデミックほどではないにしても、現実にパンデミックが起きることなど想像もしませんでした。およそ人が想像できることで現実にならないことはないと考えた方がいいのかと思います。少なくとも一度起こってしまえば、どんな異常なことも受け入れてしまうのが人間なのでしょう。

今月は月末までにもう一本ホラー小説を書く予定です。10日しかないって?ホラ小説にならないように頑張ります。

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恋をテーマにした朗読劇の脚本書きました。 [戯曲]

ある方の依頼で恋をテーマにした脚本を初めて書きました。朗読劇です。どうも恋愛ものは苦手です。それなりに経験もあり、恋の裏も表も見てきたつもりですけど、やはり自分にとって終わってしまったことなんでしょうか。
とは言え、一度引き受けたからには書かないわけにはいかず、頑張って書きはじめました。ところがミュージカルのリモート飲み会に参加したとき、そのストーリーを披露したところあまり反応がよくなかった。他の参加者は酔っ払っているのでたぶん本音です。私は下戸なので素面でそれを聞きかなり凹みました。でも、後で考えるとあれはひどかった。恋がテーマの本に途中から徳川家康が登場する内容でした(笑)

と言うことで、徳川家康抜きの脚本を仕上げました。先方に届けました。面白いと言ってくださっているので、近いうちにお披露目になるかもしれません。楽しみにしていてください。

それから、なんと同人誌の次号のテーマも「恋」なんです。またひねり出さねば。書けたらぜひ読んでくださいね。

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『朗読版 穴~キツネとネズミの物語』 [その他]

拙作『朗読版 穴~キツネとネズミの物語~』を一人で演じてYouTubeなどで配信してくださるそうです。配信の予定は6月中の予定とか。
近い未来に人類を待ち受けるであろう食糧危機を、隣り合った洞窟に住むキツネとネズミの寓話にした作品です。座・劇列車でも何度か演じています。また、いくつかの団体が演じてくださっています。むやみに危機感をあおるつもりはありません。しかし、将来に想定される難題を多くの人が意識して立ち向かうことを期待します。けして「想定外のことでした」とならないように祈ります。

配信が楽しみです。

作品に興味のある方は「はりこの虎の穴」にて「高平九」の作品を検索してください。脚本がダウンロードできます。https://haritora.net/index.html

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歌(詩) [詩]

詩 「歌」   高平 九

トリが神様を讃える歌を作った。
神様はたいそう喜んだが、ネズミだけは歌わなかった。
トリはネズミに文句を言い、トラに今度歌わなかったら食ってしまえと命じた。
ネズミはそれでも歌わなかった。神様が嫌いなわけでも神様への感謝がないわけでもない。でも歌えと命令されるのが嫌だった。ネズミはトラに食われてしまった。でも、ネズミはたくさんいるのですぐに代わりがやってきた。どのネズミも歌を拒否して食われてしまった。
1年に一度神様を讃える日がやってきた。トリはここぞとばかりに神様を讃える歌をみんなに歌わせた。やはりネズミだけが歌わなかった。そこで、トリは神様に訴えた。
「ネズミめはいくら言っても神様を讃える歌を歌いません。こんなものが干支の一番にいるのは納得できません。どうか神様を讃える歌を作ったわたくしを一番にしてください」
神様は言った。
「トリよ。わたくしを讃える歌を作ってくれたことには感謝しておる。じゃがな、他のものに歌えと無理強いするのはどうかのお。感謝は歌うことだけではない。それぞれのもののやり方に任せるべきじゃ」
その言葉を聞いたトリは自分の忖度が謝りであったことに初めて気づいた。トリがネズミに謝罪をするとそれからはネズミも神様を讃える歌を大きな声で歌うようになったとさ。

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その会議(詩) [詩]

詩 その会議    高平 九

その会議では、
その世界の危機について語り合った。

「全員を救うべきだ」とネズミが言い張った。
「それは無理なのだ」とウシ博士が反論した。
「なんでですか」
「ふむ。船の乗せる数には限りがある。わしの計算では、全員乗せれば船は必ず沈んでしまうのだ」
「そんなのやってみないとわからないじゃないですか」
「やってみてダメでしたで許されると思うか」
「それは……」
ネズミは黙ってしまった。
「問題は誰を優先的に船に乗せるかだな」とトラ宰相が偉そうに言った。
「私たちは神様から選ばれたものです。当然先に乗るべきでしょう」とウサギがすかさず言った。
「そりゃそうじゃ」とタツ教授も言った。
「最初に乗り込むのはトラ様でげすね。お知り合いのトラの皆さんもお先にどうぞどうぞ。へへへ」とヘビは赤い舌をチョロチョロさせた。
「あたしらはその後からでいいですわ」とウマ女史までが言い出した。
「貴様らは自分たちさえ助かればいいのか。それが神様に選ばれたもののすることか」と噛みついたネズミを、
「偽善者」とヒツジがからかった。
「なんだと!」
「仕方ねえよ。弱肉強食は俺らのルールじゃん」と言ったのはサル。
そのとき、
「ハームリダクション」とウシ博士が重々しく呟いた。
「何よそれ」欠伸をしながらトリ。
「害悪の軽減かあ」
イヌがしたり顔で言った。
「災厄は避けることができないのだ。全員を救おうとすれば全員が命を失う危険がある。だとしたら被害を最小限に抑えるべきなのだ」
ウシ博士の言葉は鈍いだけに重みがあった。
「ヤク中に新しい注射器配ったり、路上売春してる奴にゴムを渡したりするあれだろう。完全になくすことができないのなら少しでも害悪を減らそうってことか」またイヌが言った。
「なるほど、多くのものを救うためにはある程度の犠牲はやむを得ないということですね」
真っ白なウサギが言った。
「そんな……」
「問題は誰を乗せないかだ」トラ宰相が言った。
「そりゃあ神様に選ばれなかった連中でしょう」と言ったのはウサギ。
「どうじゃろう。集まる時刻をわざと間違えて伝えるのじゃ」提案したのはタツ教授。
「そんなら足の遅いあっしも先に乗れまさあ。でも遅れた連中が黙っていませんぜ」とヘビ。
「遅れても乗れた方たちは本気で怒ったりしませんわ。だって命が助かるんですもの。ほほほ」とウマ女史。
「乗れなかった連中はちょっと可哀想だな」同情したふりをしたのはヒツジ。
「その時は船の上からみんなで頭を下げればいいんじゃねえ、このたびは申し訳ありませんでしたってさ」と神妙に謝罪の真似をするサル。
ネズミとウシ博士以外のみんなが笑った。
「君たち不謹慎だぞ。尊い犠牲を払ってもらうのだ。敬意を払いたまえ。敬意を……」とトラ宰相がおどけて言うと笑いはさらに大きくなる。
「狂ってる」ネズミの呟き。
「なんだって? 声が小さくて聞こえなかったぞ」それまで黙って議事録をつけていたイノシシがネズミを責めるように言った。
「みんな狂ってる。犠牲になるのが自分の仲間でもそうやって笑っていられるのか」
ネズミは精一杯の大声で訴えた。
「だったら、あんたの一族が乗らないってはどうだい。小さくても数だけは多いから、その分かなりの命を救えるはずだな」とヒツジが言うと、
「そうよそうよ。偉そうなことを言うならあんたが犠牲になりなさいよ」とウマ女史が鼻息荒く言った。
「それは……できない」
ネズミは頭を抱えた。
「議論は尽くされた。いにしえより偉業をなすには犠牲はつきものだ。皆のもの良いな」
トラ宰相が言うとネズミ以外のものが「ははー」とひれ伏した。
「それから、ここで話し合ったことはけして口外しないこと。広く知らしめることでもないし、ましてや歴史に残して益のあることでもない。議事録はとらなかったこととする」
イノシシが顔を上げて「えっ?」という顔をしたが、その隙にヒツジが議事録を食べてしまいましたとさ。

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