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御礼『俺らってやっば天使じゃねえ?』公演 [戯曲]

5月9日(日)に座・劇列車の拙作『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』公演が無事終了しました。

団員がそれぞれ声をかけて40名のお客様に来ていただきました。千葉県演劇連盟に加盟している団体の皆さんも来てくださいました。本公演『やまんば おゆき』に参加してくださる皆さんもいました。私の千葉市ミュージカルの仲間も応援に来てくれました。中には私の清水二中時代の同級生もいました。それから、この作品を最初に演じてくれた演劇部の顧問たちも応援に来てくれました。皆さん、まだまだ感染の危険が去らない中、御来場本当にありがとうございました。

そして、『やまんば おゆき』の演出福山啓子先生にもいらしていただきました。とても緊張しましたが観ていただくだけで感激でした。ありがとうございました。

喜劇なのにあまり笑ってはいただけませんでした。喜劇は難しいですね。ゲネを観たときにはかなり面白かったので自信があったのですが、まだまだ甘かったのかもしれません。団員は短い稽古期間のなか、ほとんど休まず稽古に参加してくれました。私の細かい演出にもしっかり反応してくれました。ですから団員のみんなにも感謝しています。ウケなかったのはひとえに作・演出の私の責任です。さらに精進してもっと笑っていただける作品を作りたいと思います。

私の書く戯曲はほとんどが喜劇ですけど、いつの間にか悲劇を連れてきます。今回の作品も神原家という家族が1億円の借金を抱えるという悲劇が喜劇の裏側に貼りついています。それは意識しているのではなくて何となくそうなってしまうのです。

世の中には誠実に一生懸命努力して生きているのに報われない人がたくさんいます。新型コロナウィルスの恐怖にさらされている今、状況はさらに深刻だと思います。でも、喜劇で笑われるのは決まってそんな人々です。

真面目に頑張っているのにどこかユーモラスな人たちは、つまり自分たちの写し絵です。人が必死になればなるほど、観ている人は可笑しくてたまらない。残酷なようですけど人は自分の写し絵を見てよく笑います。

話は少し逸れますが、欧米の道化師にはホワイトクラウン、オーギュスト、トランプ、ホーボーなどの種類がありますけど、ほとんどのモデルは浮浪者です。「クラウンClown」※というのは元々浮浪者を指す言葉です。「ホーボー」は鉄道をタダ乗りする人々のことです。鼻が赤いのは酔っ払っているから、口の周囲が黒いのは汽車の煤、口の周りだけ白いのは何かを食べたあと袖で拭ったからです。人々がクラウンやホーボーを観て笑うのは、1つ間違えば自分がそうなったかもしれない、どんなに頑張ってもいつかはああなるかもしれない、と自分と彼らを重ねて観るかではないかと思います。もしかすると子供が道化師を怖がるのは本能的に自分の人生に恐怖を覚えるからかもしれませんね。

「あいつ馬鹿だなあ」と大笑いすることで自らを客観化して少しは楽になれるのです。厳しい現実の枷をほんの少しだけ緩めることができるのです。お芝居のできることなんてそのくらいでいいと私は思っています。

 ※クラウンについて ちなみにCrownは王冠のこと。日本で道化師を「クラウン」と言わないのはある自動車会社に忖度したからだとか。「コロナ」も実は「Crown」と同じ王冠という意味の言葉です。皮肉ですね。

コロナ禍のなか、応援に来ていただいた皆さん、本当にありがとうこざいました。観に行きたかったけどコロナが怖くて行けなかったという皆さん、お気持ちはよくわかります。気にしないでください。

座・劇列車の次回作、『やまんば おゆき』は私のオリジナル作品ではありませんが、30年前に使った西田了先生の朗読劇の脚本をもとに私が脚色したものです。脚色にあたって演出の福山啓子先生。船津基先生に多くのご助言をいただきました。そのお陰でいい本に仕上がったと自負しております。

12月になればワクチンも行き渡り、今よりはコロナのことを忘れて生活できるようになるでしょう。

コロナ明けのお祭りだと思って観に来てくだされば嬉しいです。

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