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第40回MMTパントマイム定期公演を観てきました。 [観劇]

10月26日土曜日
やまさわたけみつ先生が主宰なさっているMMTパントマイムの公演2日目に行って来ました。
会場は横浜のSTスポットでした。

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プログラム

「カオスの振り子」 演者 やまさわたけみつ・細見玲子

師弟で演じる抽象的なマイムでした。マイムのテクニックをふんだんに盛り込んだ作品です。やまさわ先生とMMT卒業生の細見さんの息の合った演技に魅了されました。やまさわ先生がこのような作品を演じるのは珍しいことです。新しいものに挑戦なさる先生の勇気に感動しました。

「無限のあ・い・だ」 演者 細見玲子

マイムと舞踏の「あいだ」にあるような不思議な作品でした。細見さんの身体が架空の狭い隙間を通ったり、指や股の「あいだ」を自身が通り抜けようとしたり、とにかく「あいだ」にこだわった作品であると感じました。後半は半熟の言語のようなものを発していました。これもマイムと言語の「あいだ」なのでしょうか。美しい作品でした。

「蝶」演者 やまさわたけみつ
蝶をとって遊ぶ少年の物語です。やまさわ先生が続けて演じていらっしゃる作品ですが、見るたびに深みを増しているように感じます。蝶の小さな命を通してすべて生命の尊さを実感させてくれる作品です。いつまでも少年を演じることができる先生に感謝です。

「船旅」演者 やまさわたけみつ

船で旅をする男の話です。船の揺れの表現と船酔いした男の描写が見事です。「蝶」のような真面目な演目もいいのですが、こういう楽しい作品もやまさわ先生の魅力です。

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やまさわ先生は定番の作品を何度も繰り返し演じていらっしゃいます。これは先生の師匠であるマルセル・マルソーに倣ったそうです。「蝶」も「船旅」も何度も観た作品ではありますが、観るたびに先生の表現が細かくなっているように感じます。それは観ている方もまた深く作品を観られるようになっているからです。これはマイムならではのことだと思います。小さな会場に集まった観客が先生の1つ1つの動きに集中して、そこに濃厚な空間を作り出します。やがて演者とキャクラクターがひとつになって心の底まで透けて見えるようになります。人の心が見えるという不思議な感覚です。ですから少なくともやまさわ先生のマイムは、観客が集中して繰り返し観ることでさらに輝きを増すのだと思います。

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10分間の休憩。

『ゴドーを待ちながら』より -あなたは誰を待っていますか?-

原作 サミュエル・ベケット
構成・演出 やまさわたけみつ・徳富敦
舞台監督 玄希

ウラジミール やまさわたけみつ
エストラゴン 細見玲子

ポッツォ 川島ともこ
ラッキー 青木祐二

一本の木の下でウラジミールとエストラゴンがひたすらゴトーという人物を待っている。
このベケットの不条理劇をどうやってマイムで演じるのだろう?
この作品を観るためにもう一度「ゴトー」を読み直してみました。久しぶりで読んだのですが、やはり私ごときには理解不能な作品です。

でも、演者たちは実に見事に演じてくれました。むしろセリフがない分、分かりやすかいと感じました。思うに「何かを待つ」という行為はそれだけで完結しているのかもしれません。ウラジミールとエストラゴンが忙しないやりとりの間に何度か見せる「待つ」表情だけで観ている私は深い何かを感じてしまうのです。

1年ぶりのマイム公演でした。やっぱりマイムはいいなあ。
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